フランス落とし錠:古くて新しい玄関の守り
落とし錠は、その名の通り、棒状の錠を床に落とし込むことで扉を固定する、簡単な仕組みの錠です。フランス落とし錠とも呼ばれ、古くから使われてきました。扉の下部に設置された金具を伝って、床に開けた小さな穴にむけて錠を落とします。この錠が穴にしっかりと嵌まることで、扉が開かないように固定されるのです。
落とし錠にはいくつかの種類があります。まず、手動で操作する昔ながらのタイプ。これは、棒状の錠を手で持ち上げ、金具に沿って下に落とし込むことで、扉を施錠します。解錠するときはその逆の手順で、錠を持ち上げて引き抜きます。このタイプは構造が単純なため、壊れにくく、長持ちするのが特徴です。
次に、バネ仕掛けのタイプ。こちらは、軽く操作するだけで錠の出し入れができるので、高齢の方や力の弱い方でも簡単に使えます。バネの力で錠が飛び出すようになっており、開錠も施錠もワンタッチでできます。
落とし錠は、鍵穴がないため、ピッキングによる解錠のリスクがありません。また、外から見て錠の存在が分かりにくいため、侵入者を思いとどまらせる効果も期待できます。補助錠としてだけでなく、玄関ドアのメインの錠としても十分な防犯性を発揮します。
落とし錠を設置する際には、床の材質や扉の種類に合ったものを選ぶことが大切です。専門の業者に相談すれば、最適な落とし錠を選んで設置してもらうことができます。また、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、より長く安全に使うことができるでしょう。