
家の顔となる造り付け家具
造り付け家具とは、家を作るのと同時に、家の骨組みと一体になるように設置する家具のことです。壁や床、天井などにしっかりと固定されるため、後から動かすことは基本的にできません。まるで家の一部であるかのように空間に自然と馴染み、住まいの雰囲気を大きく左右する重要な存在です。そのため、家の顔とも言えるでしょう。
普通の家具のように完成品を買うのとは違い、家の設計段階から細かく計画を立て、家の間取りや使い方、住む人の暮らし方に合わせて、注文して作ります。そのため、既製品では叶えられない、住む人の理想を形にすることができるのです。
たとえば、壁一面に本棚を作り付ければ、たくさんの本を収納できるだけでなく、図書館のような落ち着いた雰囲気を演出できます。また、デッドスペースになりがちな階段下を利用して収納棚を作れば、空間を無駄なく活用できます。キッチンに造り付けの食器棚を設置すれば、キッチン家電や食器を効率的に収納し、作業動線をスムーズにすることができます。
造り付け家具は、家の寸法に合わせて作られるため、隙間なくぴったりと設置することができます。そのため、見た目も美しく、掃除もしやすいという利点があります。また、地震の際に倒れる心配も少なく、安全性にも優れています。
しかし、造り付け家具は、後から移動や変更が難しいため、将来のライフスタイルの変化に対応できない可能性があります。また、既製品の家具に比べて費用が高くなる傾向があります。そのため、設置する際には、将来の生活の変化や予算などを考慮し、慎重に検討することが大切です。