
みんなに優しい家づくり:ユニバーサルデザイン
誰もが快適に暮らせる住まい、考えたことはありますか?「ユニバーサルデザイン」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、年齢や性別、体の状態、生まれた国など、様々な違いを持つ人々が、誰でも使いやすいように、環境や建物、道具などを設計する考え方です。
よく誤解されるのですが、ユニバーサルデザインは、お年寄りや体の不自由な方のためだけのものではありません。段差や狭い通路のような、暮らしにくさを感じる物理的な壁を取り除くだけでなく、健康な方も含めたすべての人が快適に使えることを目指しています。
例えば、玄関の上がり框。ここを低くすれば、お年寄りや車椅子を使う方はもちろん、小さなお子さんを連れた家族にとっても安全で便利です。重い荷物を抱えて家に入る時にも、負担が軽くなりますよね。また、廊下を広めに設計すれば、車椅子が通りやすいだけでなく、家族がすれ違う時もゆとりが生まれます。家具の配置もしやすくなり、より快適な空間を作ることができます。
さらに、色の使い方も大切です。コントラストをはっきりさせることで、目の見えにくい方にも分かりやすくなります。例えば、壁と床の色に差をつけたり、階段の段鼻に目立つ色のテープを貼ったりするだけでも、安全性が高まります。
このように、ユニバーサルデザインは特定の人々のためだけのものではなく、すべての人にとって暮らしやすい環境を作るためのデザインなのです。将来、家族構成が変わったり、自分自身の体が変化したりしても、安心して快適に暮らせる家。それが、ユニバーサルデザインの目指す住まいです。