黒檀

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黒檀:高級家具材の魅力

黒檀とは、カキノキ科カキノキ属に分類される広葉樹の中で、中心部分が黒色をした木材の総称を指します。世界にはおよそ400もの種類があると言われており、主な産地は東南アジアやアフリカなどの熱帯地域です。その色は漆黒と表現されるほど深く濃い黒色で、高級感と重厚感を漂わせるため、古くから世界中で貴重な木材として扱われてきました。 古代エジプトにおいては、黒檀は王の墓に供え物として納められたり、装飾品に加工されたりするなど、特別な素材として用いられていました。また、日本においても、奈良の正倉院に保管されている宝物のいくつかに黒檀が使われていることが確認されており、その歴史の深さが分かります。現代でも、家具や楽器、工芸品などに用いられており、高い価値が認められています。 黒檀の魅力はその色の深さと希少性だけではありません。緻密で硬い木質を持つため、耐久性に優れている点も大きな特徴です。加工は難しい木材ですが、磨き上げることで美しい光沢を出すことができます。この独特の光沢と重厚な黒色が、他の木材にはない高級感を生み出します。 しかし、黒檀は成長が遅いため、木材としての供給量が限られています。そのため、希少価値が高く、価格も高価になる傾向があります。また、近年では乱伐による資源の枯渇も懸念されており、持続可能な利用が求められています。黒檀を使った製品を選ぶ際には、その背景にある環境問題についても意識することが大切です。真に価値あるものとして、大切に使い続けることで、黒檀の美しさと資源を守っていくことに繋がります。
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南洋材で家を快適にリフォーム

南洋材とは、赤道の近くのあたたかく湿った地域で育つ木から採れる木材です。一年を通して気温が高く、雨も多い場所で育つため、成長が早く、実に様々な種類が存在します。 日本で家の材料としてよく使われている南洋材の一つに、フタバガキ科のラワンと呼ばれる種類があります。ラワンは柔らかく加工しやすいため、薄い板を何枚も重ねて作る合板の材料として、家具や壁、床などに広く使われています。ラワンは色や木目が均一なため、塗装もしやすく、価格も手頃なことから、住宅で広く利用されています。 ラワンの他にも、南洋材には様々な種類があります。例えば、黒檀(こくたん)は、黒く美しい光沢を持ち、高級な家具や楽器、彫刻などに用いられます。また、チークは油分を多く含み、水に強く、耐久性が高いことから、船の甲板や高級家具に使われます。濃い茶色の美しい木目も特徴です。さらに、ウリンは非常に硬く、耐久性に優れているため、ウッドデッキや桟橋などの屋外で使用する場所に適しています。シロアリなどの害虫にも強く、腐りにくいという特徴も持っています。 このように、南洋材は種類によって強度や耐久性、色味や木目などが大きく異なります。そのため、家のリフォームで木材を使う際には、それぞれの場所に適した種類を選ぶことが大切です。例えば、水回りには耐久性の高い木材を、家具には美しい木目の木材を選ぶなど、用途に合わせて適切な南洋材を選ぶことで、より長く快適に暮らせる家を作ることができます。