2重床

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工法

二重床で快適な住まいを実現

二重床とは、その名の通り床を二重に重ねた構造です。建物の土台となるコンクリートの板の上に、さらに床を組む形になります。この二重構造によって、コンクリートの板と実際に人が触れる床材の間に空間ができます。この空間は空気の層となり、二重床の様々な利点の源となります。 まず、この空気層が断熱材の役割を果たします。コンクリートは熱を伝えやすい性質があるため、冬は冷えやすく、夏は暑くなりやすいです。二重床の空気層は、この熱の伝わりを遮断し、一年を通して快適な室温を保つのに役立ちます。また、階下への音漏れを防ぐ効果もあります。歩く音や物を落とした音などの生活音は、空気中だけでなく、床材や建物の構造を伝わって響きます。二重床は、この振動を空気層で吸収し、階下への騒音の伝わりを軽減します。特に集合住宅では、近隣とのトラブルを防ぐ上で重要な役割を果たします。 さらに、二重床は配線や配管を床下に収納できるという利点も持っています。電気の配線や水道管などを床下に隠すことで、見た目もスッキリし、掃除もしやすくなります。また、将来的なリフォームやメンテナンスの際にも、床を剥がすことなく配線や配管にアクセスできるため、工事の手間を省くことができます。床材をコンクリートの板に直接張るのに比べれば、費用はかかりますが、快適さや機能性、メンテナンスのしやすさを考えると、二重床は大変価値のあるものと言えます。近年、新築住宅だけでなく、リフォームでも採用が増えているのも頷けます。