トイレリフォーム:便器の種類と選び方
リフォームの初心者
先生、リフォームの資料を見ていたら『洗い落とし式』って便器の種類があったんですけど、どんなものですか?
リフォーム専門家
洗い落とし式は、水をためておく部分が少なく、その水を流して便器の表面についた汚れを落とすタイプの便器だよ。段差があることで、少ない水でも汚れが流れやすいように工夫されているんだ。
リフォームの初心者
なるほど。他の便器と比べて何か違いはありますか?
リフォーム専門家
そうだね。例えば、サイホン式という勢いよく水を流すタイプの便器と比べると、洗い落とし式は水が飛び散りやすいとか、汚れが付きやすいという欠点があるんだ。でも、値段が安いというメリットもあるんだよ。
洗い落し式とは。
腰かけて使う、洋式のトイレについて説明します。『洗い落とし式』と呼ばれる種類のトイレは、段差を利用して汚物を水で流します。他にも、勢いよく水を噴き出す『サイホンゼット式』や、渦を巻くようにして流す『サイホンボルテックス式』など、色々な流し方があります。洗い落とし式は、他の方式と比べて使う水が少なく、そのために汚れが付きやすいのが欠点です。サイホンゼット式は汚れが付きにくく、においも抑えられます。サイホンボルテックス式は流れる音が静かなので、高級なホテルなどで使われています。洗い落とし式は音が大きく、水が飛び散ることもありますが、価格が安いという利点があります。
便器の形状
お手洗いの便器は大きく分けて、和式と洋式があります。和式便器は床に直接据え付けられており、しゃがんで用を足す様式です。かつては広く使われていましたが、近年は少なくなってきました。一方、洋式便器は椅子に座るように腰掛けて用を足す様式で、現在では住宅や多くの建物で普及しています。洋式便器は、その形によってさらに細かく分類することができます。
主な種類としては、洗い落とし式、サイホンゼット式、サイホンボルテックス式などがあります。それぞれ、水の流し方や特徴が異なります。洗い落とし式は、便器の表面に水を流して洗い流すシンプルな仕組みです。構造が単純なので、値段が手頃で壊れにくいという利点があります。ただし、洗浄力が弱い場合があり、水はねしやすいという欠点もあります。サイホンゼット式は、便器の奥にサイホン管と呼ばれる管があり、水を吸い上げることで便を流す仕組みです。洗浄力が強く、臭いが漏れにくいのが特徴です。しかし、洗い落とし式に比べると水の使用量が多い傾向があります。サイホンボルテックス式は、サイホンゼット式と同様にサイホン管を使いますが、渦を巻くような水流で便を流すのが特徴です。強力な水流で少ない水量でもしっかり洗い流すことができます。節水性と洗浄力を両立した便器と言えるでしょう。
お手洗いのリフォームを検討する際には、それぞれの様式や、洋式便器の場合にはそれぞれの形状の利点と欠点を理解した上で、ご自身の生活様式や好みに合った便器を選ぶことが大切です。例えば、お年寄りや体の不自由な方がいるご家庭では、立ち座りが楽な洋式便器が適しています。また、水回りの環境保全に貢献したい場合は、節水型の便器を選ぶと良いでしょう。それぞれの便器の特徴をしっかりと把握し、快適で使いやすいお手洗いを実現しましょう。
種類 | 説明 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
和式 | 床に直接据え付け、しゃがんで用を足す。 | (記載なし) | 近年は減少傾向。 |
洋式 | 椅子に座るように腰掛けて用を足す。 | 現代の住宅や建物で普及。 | (記載なし) |
洗い落とし式 | 便器の表面に水を流して洗い流す。 | 値段が手頃、壊れにくい。 | 洗浄力が弱い場合あり、水はねしやすい。 |
サイホンゼット式 | サイホン管で水を吸い上げ、便を流す。 | 洗浄力が強い、臭いが漏れにくい。 | 水の使用量が多い傾向。 |
サイホンボルテックス式 | 渦を巻く水流で便を流す。 | 節水性と洗浄力を両立。 | (記載なし) |
洗い落とし式の仕組み
洗い落とし式の仕組みは、その名の通り、水で汚れを洗い流すといった簡素な構造です。便器の形状に工夫を凝らすことで、少ない水量でもしっかりと汚れを落とせるように設計されています。
便器内部には、段差が設けられています。この段差があることで、水を流すと水位が一時的に急激に上昇します。この水位の上昇と、それによって生じる水流の勢いを利用して、便器内の汚物を排水口へと押し流すのです。
洗い落とし式は、その構造の簡素さゆえに、他の水流方式と比べて製造コストが抑えられます。そのため、一般的に価格が安価であることが大きな利点です。また、使用する水量が少ないため、水道代の節約にも繋がります。環境への負担も少なく、節水を意識する方にとっては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
一方で、洗い落とし式にはデメリットも存在します。便器に溜まる水の量が限られているため、汚れが便器に付着しやすい傾向があります。こびり付いた汚れは、水流だけでは落としきれず、掃除の手間が増える可能性があります。日常的にブラシで汚れを落としたり、定期的に洗剤を使って念入りな掃除をする必要があるかもしれません。
総合的に見ると、洗い落とし式は安価で節水効果の高い優れた仕組みと言えるでしょう。しかし、汚れが付きやすいという点は考慮すべき点です。こまめな掃除を心掛けることで、快適に利用できるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
仕組み | 水で汚れを洗い流す簡素な構造。便器の形状で少ない水量でも汚れを落とす。 |
洗浄方法 | 便器内部の段差により水位を上昇させ、水流で汚物を排水口へ流す。 |
メリット |
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デメリット |
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総評 | 安価で節水効果は高いが、汚れが付きやすい点は考慮が必要。こまめな掃除で快適に利用可能。 |
サイホンゼット式の特徴
サイホンゼット式は、その名の通り、サイホンの原理を利用して便器内の汚物を排出する方式です。サイホンとは、管の中を液体が満たされているときに、管の両端の液面の高低差によって液体が移動する現象のことを指します。サイホンゼット式便器の場合、水道の水を勢いよく噴射することで、便器内の水位を上昇させ、サイホン作用を発生させます。
便器の奥に設置されたノズルから強力な水流が噴き出し、この水流によって便器内の汚物を吸い出す仕組みになっています。まるで渦を巻くように水が流れることで、汚物を一気に排水口へと押し流します。このため、便器の底に汚物が残りにくく、汚れがこびり付くのを防ぎます。従来の洗い落とし式のように、水で汚物を押し流すだけではないため、洗浄力が高い点が大きな特徴です。
臭いの発生を抑える効果も期待できます。洗い落とし式では、便器の底に汚物が残ってしまうことがありますが、サイホンゼット式は汚物をしっかりと吸い出すため、臭いの元となるものを残しにくいです。また、洗浄水の量が多いことも、臭いを抑える効果を高めています。多くの水で洗い流すことで、便器内を清潔に保ち、雑菌の繁殖を抑えることができます。つまり、サイホンゼット式は衛生的で快適なトイレ環境を実現する上で、非常に効果的な方式と言えるでしょう。
ただし、水量は洗い落とし式に比べて多くなる傾向があります。節水を重視するのであれば、この点は注意が必要です。しかし、その一方で、強力な洗浄力と防臭効果によって、快適なトイレ空間を実現できるというメリットがあります。そのため、水量と快適さのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
方式 | サイホンゼット式 |
原理 | サイホンの原理 (管の両端の液面の高低差を利用) |
仕組み | 1. ノズルから強力な水流を噴射 2. 便器内の水位上昇 3. サイホン作用発生 4. 渦を巻くように汚物を排水口へ |
メリット | ・洗浄力が高い ・防臭効果 ・衛生的 |
デメリット | ・水量が多い |
サイホンボルテックス式の利点
サイホンボルテックス式は、水流の力を最大限に活用した、画期的な排水方式です。便器内部にサイホン作用を生み出す特殊な形状が施されており、少量の水でも強力な渦を発生させることができます。この渦は、まるで竜巻のように中心に向かって勢いよく回転し、汚物を吸い込みながら排水路へと運び去ります。
従来の洗浄方式では、大量の水を勢いよく流すことで汚物を押し流していましたが、サイホンボルテックス式は、渦の力で汚物を吸い上げるため、少量の水でも効果的な洗浄が可能です。これにより、節水効果が期待できるだけでなく、水道料金の節約にも繋がります。また、水流が穏やかなため、洗浄音が静かである点も大きな特徴です。従来の方式にありがちな、激しい水流音に悩まされる心配もありません。静かで落ち着いたトイレ空間を実現できるため、高級ホテルやマンションなどで多く採用されています。
強力な洗浄力と静音性を兼ね備え、快適なトイレ環境を実現するサイホンボルテックス式ですが、一方で、導入コストについては考慮が必要です。便器の構造が複雑なため、他の方式と比較すると価格が高くなる傾向があります。初期費用は大きくなりますが、長期的な目線で見れば、節水効果による水道料金の削減も見込めるため、総合的なコストパフォーマンスは決して悪くありません。快適性と機能性を重視するのであれば、サイホンボルテックス式は有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
項目 | サイホンボルテックス式 | 従来の洗浄方式 |
---|---|---|
洗浄方法 | 水流の渦で汚物を吸い上げる | 大量の水で汚物を押し流す |
使用水量 | 少量 | 大量 |
洗浄音 | 静か | 大きい |
節水効果 | あり | なし |
コスト | 高め | 低め |
メリット | 節水効果、静音性、強力な洗浄力 | 安価 |
デメリット | 導入コストが高い | 洗浄音が大きい、水量が多い |
採用例 | 高級ホテル、マンション | 一般家庭 |
便器選びのポイント
住まいの水回りの中でも、特に毎日使う場所であるお手洗いの改修工事は、快適な暮らしを送る上で大切なことです。お手洗いの設備の中でも便器選びは、家族みんなの使いやすさや気持ちよさを左右する重要な要素です。新しい便器を選ぶ際には、いくつかの大切な点を踏まえる必要があります。
まず第一に、家族構成や生活習慣をよく考えましょう。小さなお子さんやお年寄りのいるご家庭では、座面の高さや手すりの有無などが重要になります。また、お手洗いをよく使うご家庭では、洗浄力や節水性能に注目することも大切です。毎日使うものだからこそ、家族みんなが快適に使えるものを選びましょう。
次に、お掃除のしやすさも大切なポイントです。最近の便器は、汚れが付きにくい工夫が施されたものが多くあります。表面がツルツルとした素材を使っていたり、複雑な形状を避けてシンプルな形にしていたりすることで、汚れが溜まりにくく、お掃除の手間を減らすことができます。日頃のお掃除の負担を軽くするためにも、お手入れのしやすい便器を選びましょう。
使う時の音も気にする方も多いのではないでしょうか。水の流れ落ちる音や洗浄する音が静かな便器を選ぶことで、夜間や早朝でも周りの人に気兼ねなく使うことができます。静音設計の便器は、集合住宅にお住まいの方や、音に敏感な方におすすめです。
もちろん、予算も大切な要素です。便器には様々な種類があり、価格も大きく異なります。機能やデザインだけでなく、予算も考慮に入れて、無理のない範囲で最適な便器を選びましょう。最近では、節水効果の高い便器も増えており、長い目で見れば水道料金の節約にも繋がります。
最後に、設置スペースや排水管の位置を確認することも忘れずに行いましょう。せっかく気に入った便器を見つけても、設置場所に合わなければ取り付けることができません。事前にしっかりと寸法を測り、設置可能な便器を選ぶことが大切です。専門の業者に相談することで、設置場所の状況に合った最適な便器選びをサポートしてもらえます。快適なトイレ空間を実現するために、これらのポイントを踏まえて、じっくりと便器を選びましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
家族構成・生活習慣 | 座面の高さ、手すりの有無、洗浄力、節水性能 |
清掃性 | 汚れにくい素材、シンプルな形状 |
静音性 | 水流音・洗浄音の静音設計 |
予算 | 機能・デザインと価格のバランス、節水効果による水道料金節約 |
設置スペース・排水管位置 | 寸法確認、設置可能か確認、専門業者への相談 |
リフォーム業者選び
水回りの改修、特にお手洗いの改修を成功させるには、信頼のおける施工業者を選ぶことが肝要です。施工業者選びで失敗すると、施工後の不具合や追加費用発生など、様々な問題につながる可能性があります。安心して工事を任せられる業者を見つけるために、いくつかの点に注意して業者を選びましょう。
まず、複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。同じ工事内容でも、業者によって見積もり金額は大きく異なる場合もあります。相見積もりを取ることで、費用の相場を把握し、適正な価格で工事を行う業者を見つけることができます。見積もり依頼の際には、工事内容を具体的に伝え、必要な設備や材料なども明確に伝えましょう。
見積もり金額だけでなく、サービス内容も比較検討しましょう。工事の範囲、使用する材料、工期、保証内容などを確認し、それぞれの業者のサービス内容を比較することで、自身に合った業者を見つけることができます。また、業者の実績や評判も重要な選定基準です。ホームページや口コミサイトなどで、過去の施工事例や顧客からの評価を確認しましょう。施工実績が豊富で、高い評価を得ている業者は、安心して工事を任せられる可能性が高いです。
工事内容や費用について、分かりやすく説明してくれる業者を選ぶことも重要です。専門用語を使わずに、丁寧に説明してくれる業者は、顧客とのコミュニケーションを大切にしていると言えるでしょう。不明な点や不安なことがあれば、遠慮なく質問し、納得した上で契約を結びましょう。契約前に、工事期間や保証内容、支払い方法なども必ず確認しておきましょう。施工後のアフターサービスについても確認しておくと、万が一不具合が発生した場合でも、迅速に対応してもらえるので安心です。
焦らず時間をかけて、信頼できる業者を選ぶことが、お手洗いの改修を成功させるための第一歩です。
項目 | 詳細 |
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見積もり | 複数の業者から相見積もりを取り、費用相場を把握する。工事内容、設備、材料を明確に伝える。 |
サービス内容 | 工事範囲、使用材料、工期、保証内容を比較検討する。 |
実績・評判 | ホームページや口コミサイトで施工事例や顧客評価を確認する。 |
説明 | 専門用語を使わず分かりやすく説明してくれる業者を選ぶ。不明点や不安なことは質問し、納得した上で契約する。 |
契約前確認 | 工事期間、保証内容、支払い方法、アフターサービスを確認する。 |